

多彩な教育03
理数教育
科学的思考で社会の問題を
解決する力を養うSSH
本校は2018(平成30)年度より文部科学省の「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定校に採択されました。(5年間)
スーパーサイエンスハイスクールの目標は、「次代のイノベーションを担う科学技術人材」を育成することです。
自然科学への科学的思考を育成するとともに、科学だけでは解決できないたくさんの問題を解決していく能力を養います。
特に中附では社会科学から科学技術にいたるまで分野を横断する取り組みにも力を入れています。
日々の活動
- 日々の活動 活動報告 2023/02/14 タイの高校生との共同授業を実施しました(高3理系クラス)
- 日々の活動 2023/01/17 2022年度SSH講演会
- 日々の活動 2022/09/20 中学生向け科学実験教室を行いました
- 日々の活動 2022/08/04 文化庁長官賞受賞_とうきょう総文2022
イベント予定
- 2023/02/08 イベント予定 2/11_教養総合成果発表会(SSH成果発表会)プログラムについて
- 2023/01/22 イベント予定 3/27_SSH第Ⅰ期最終報告会のご案内
- 2023/01/22 イベント予定 2/11_教養総合成果発表会(SSH成果発表会)のご案内
- 2023/01/22 イベント予定 2/11_SSH英語ポスター発表会のご案内
- 2023/01/22 イベント予定 2/11_SSH講演会@Chufuのご案内
活動報告
- 2023/03/14 活動報告 平成30年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発実施報告書(第5年次)
- 2023/02/14 日々の活動 活動報告 タイの高校生との共同授業を実施しました(高3理系クラス)
- 2022/04/15 活動報告 探究マップLight 使い方動画
- 2022/04/15 活動報告 探究マップLight English.Version
- 2022/04/15 活動報告 初学者のためのプログラミング
分野融合型学習
文系進学者の多い中附の特色を生かし、「トランスサイエンス」にも重点を置いています。
これは、科学的思考を「社会科学」「人文科学」「芸術文化」など、様々な分野と融合しながら問題解決に取り組む領域を表しています。
また、中附ではコンピテンシー・ベースの観点別評価を導入して、生徒の資質・能力を培っています。
コンピテンシー・ベースの観点別評価
コンピテンシー・ベースの観点別評価体制を開発して、生徒の内面に育まれる科学技術人材としての「資質」まで含んだ評価と指導を行っています。
中附のSSHでは、7項目のコンピテンシー(資質・能力)をチェックしながら自分がどのように成長しているか、自己評価できる仕組みを開発しています。

Chufu-compass
- I.学習する力
- II.考える力
- Ⅲ.新しいことに挑む力
- Ⅳ.やり遂げる力
- Ⅴ-1.理解する力
- Ⅴ-2.伝える力
- Ⅵ.協力する力
理科教育中学
科学現象を予測する力を養う実験で探究力や思考力を伸ばす
中附の理科は探究力や思考力を伸ばす実験を重視しています。
実験において現象を予測する力が科学的思考を鍛えることから、さまざまな予測を出し合い、実験に取り掛かります。
さらに高校生のSSH成果発表会も参加することができ、早くから科学的な興味・関心が育まれる刺激的な環境です。


SSH講演会高1
科学への興味関心を高める
最先端技術に携わる研究者などを招き、早期から理系への興味関心を高めます。
これまで東京大学先端科学技術研究センター神崎亮平教授、芝浦工業大学村上雅人学長、北海道大学渡邊剛講師を講師に迎え講演会を行いました。


Project in Science Ⅰ高2
「科学」と「社会」の関係を紐解く
科学的探究活動を通して、課題発見能力や課題解決能力を高めます。
3年次に理系に進む生徒が卒業研究を行うための準備としての側面と、文系に進む生徒に対して科学的な視点を与えて視野を広げるという側面があります。
光とオーロラの探究
フィンランド北部に位置するソダンキュラ地球物理観測所を訪れ、施設見学やオーロラに関する英語による講義、現地の人々と交流を行い、その後、ロヴァニエミ郊外でのオーロラ観測をするフィールドワーク。
3年次の卒業研究まで続けた生徒が、オーロラの発生と電波の異常伝搬の関係を論文にまとめ、令和元年度SSH生徒研究発表会(全国大会)で奨励賞を受賞しました。


- 知識・スキル習得 / 文献の輪読やディスカッション
- 研究計画 / 事前調査 / 予備実験
- 現地でのフィールドワーク / 実験データ分析
- ポスター・論文の作成 / プレゼンテーション


カナダ


マレーシア


Project in Science Ⅱ高3
研究論文にまとめる「卒業研究」
理系の生徒を対象に実施。
卒業研究として自らが設定した自然科学分野のテーマに対して、実験の企画、設計から論文執筆までを通した本格的な科学研究を体験します。
- テーマ設定
- 教養総合や理系科目の学習、身近な現象などの中から、自らテーマを設定します。
- 研究・調査計画
- 自分のテーマに関係のある文献を探し、研究計画を立てていきます。
また中央大学理工学部の教授や卒業生等からアドバイスを頂きます。
- 研究・調査
- 土曜日3時間や長期休みを利用して、自ら立てた計画に沿って実験・調査していきます。
- 論文作成
- 実験結果や調査結果をもとに考察し、論文を作成していきます。
- 研究発表
- 中央大学理工学部にて、卒業研究発表会を行います。
また、SSH発表会などでも発表を行います。


卒業研究発表会
高大連携の一環として、中央大学理工学部のキャンパスで、教授等を前に卒業研究についてプレゼンテーションします。
また、事前に大学教員から研究について適切な指導をしてもらい、卒業研究をまとめます。


研究テーマ例
- 身近なものを用いたダニエル電池のマイクロスケール実験
- 都立長沼公園におけるキノコの分布調査
- 教室模型を用いた換気の効率性の評価と効率的な換気方法の研究
- 非接触機器操作のための画像処理による空所認識に関する研究
Project in English for Science高3
論文の主流は英語であることに応えるために
科学技術人材育成に特化した英語科授業を、理系教科と英語科が共同で開発。
授業は生徒活動を主体としたPBL(課題解決型)とし、実際に科学技術の場面での活用を想定したものとします。


教養総合成果発表会中学高校
自分の考えを発表する
毎年2月、「教養総合成果発表会」が行われます。
校舎を埋めつくすのは、教養総合や卒業研究の成果をまとめた100枚を超えるポスターの数々。
トランス・サイエンスにも取り組む本校らしく、理系の研究から社会科学・音楽研究まで、内容は多岐に渡ります。
2021年度はオンラインで行われました。


SSH課外活動
科学に興味のある生徒は、校友会の部活動に所属しながらSSHの活動に取り組むことができます。
理系に限らず文系でも活動に携わることができるのが本校のSSH の特長です。
これまでの活動として、「ウニの発生の観察」や「ブタの頭の解剖」などを行っています。
「ウニの発生」では受精から発生の途中まで、学校に宿泊して連続観察しました。


Message
ムササビの生息分布と環境の関係を追究しSSH生徒研究発表会で奨励賞を受賞。
生物部の活動の一環として、高尾山で生息するムササビについて調査していました。そこでSSH生徒研究発表会のお話をいただき、過去の貴重なデータを生かしながらムササビが分布しているエリアと環境要因について研究。神戸で研究発表を行い、奨励賞を受賞しました。ムササビに関する調査は、先輩方の代から受け継がれてきたもので、過去十数年分に及ぶデータの蓄積があり、生徒研究発表会は過去の貴重なデータを生かす良い機会になりました。
本格的な研究に取り組んだのは初めてで、研究を通じて経験したことは何もかも刺激的でした。広域なエリアでムササビのフンや食痕を調べるなど地道な作業が多くたいへんでしたが、仮説を立てて検証するプロセスはとてもおもしろく、分析して新しい発見があったときのワクワク感や一つひとつ積み上げて形にする達成感を味わうことができました。生息する植物の種類とムササビの生息エリアに因果関係を見出せたときは心が躍りましたね。
また、発表の準備では、説明用のフリップを用意するなど様々な工夫をしました。研究発表で「分かりやすく伝えること」を追求した経験は、中附での卒業研究はもちろん、社会に出てからも生かせると思います。


栗原 萌花さん(上段中)
多くの種類が存在するキノコの生息分布を実地調査し研究。
「都立長沼公園におけるキノコの分布調査」というテーマで、卒業研究に取り組みました。
キノコは種類がとても多い上に見た目が似ているものもあるので、種の特定に最も多くの時間を要しました。一般的に注目されるキノコは、食べられる種か毒のある種ですが、実際に調べてみて、毒はないが食べても美味しくない種が一番大きな割合を占めるのは意外な発見でした。自分の足を使い実物に触れて調べると、机上の学習では得られないたくさんの発見を経験できます。得られた調査結果から傾向や法則を見出し仮説を立てるのは、好奇心を大いに刺激される体験でした。
研究成果を発表する機会が多かったのも、ためになったと感じています。SSHの都大会、校内の発表、英語によるポスター発表などを経て、人前で話す経験を積めただけでなく、オーディエンスに興味を持ってもらうためのアクセントの付け方、発表後の質問への準備、オンラインを活用した発表などのスキルを身につけられました。
高校のうちに研究・発表のノウハウを先取りして学べるのは、中附の魅力の一つだと思います。大学で研究に取り組む際も、この経験は大きなアドバンテージになると考えています。

