

多彩な教育02
教養総合
自主・自治・自律の精神で
探究の方法を身につける
中附の教育の柱は「教養総合」です。
身近な問題から世界で起きているさまざまな出来事にはどのような問題があるかを発見し、その問題を解決するには、何を準備し、どうアプローチしていくか、そのプロセスを身につけるとともに、広く、そして深く考えながら、問題を解決できる能力を身につけていきます。
教養総合基礎中3
視点を探す
大切なのは、日々を見る眼を養うこと。日常生活や普段の学習で気づいたことを、詳しく、角度をずらして見ていくことを学びましょう。
探究する眼を鍛えることで、何が「問い」なのかが、少しずつ分かっていくはずです。
探究マップを活用しながら、自分の思考を整理したり、全体像を捉えたりする方法を習得します。

教養総合Ⅰ高1
問いを探す
学問の扉をひらくには、本質をつかむ手が必要です。探究する眼とともに、主体的で能動的な学びを始めましょう。
自分の興味関心に基づく課題から、注目すべき事実をつかみとり、「問い」の立て方を学んでいきます。また世界標準を意識しながら、自分たちの「問い」を周りに発信していきます。
教養総合Ⅱ高2
本質に迫る
世界の実相に触れるため、知を求めて踏み出します。教科横断型の授業により、多角的な視野でものごとを捉えます。実習や実験、実地踏査を通じて、築かれた知を感じましょう。生きた学びを経ることで、「問い」の深さも変わるはず。自らの「問い」に対して、自分なりの結論を導き、広く発表していきます。
2022年度候補コース一覧
年度により開講コースは変更になる場合があります。
- GBグローバルフィールドワーク
- PSProject in ScienceⅠ
- TSトランスサイエンス
- GCグローカルフィールドワーク
海外
- GB中世都市クラクフとアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所(ポーランド・クラクフ)
- GB映画から考える韓国の現代(韓国・ソウル)
- GB世界遺産と生きる(インドネシア・バリ島・ロンボク島)
- GB国際化と日本(ベトナム)
- GBアントレプレナーシップ入門(アメリカ・サンフランシスコ)
- PS光とオーロラの探究(フィンランド)
- PSマレーシア・ボルネオのジャングル自然調査(マレーシア・ボルネオ島)
- TS地理情報システム入門(台湾・台北)
- TS高校生によるSDGsプロジェクト(オーストラリア・メルボルン)
国内
- PSトレーニング科学(都内大学・研究施設)
- TSフクシマ・オキナワを通して近代化・科学技術を考える(福島県、沖縄県)
- TS人工知能と人間(校内または都内の施設)
- GC音楽研究(都内の劇場・コンサートホール)
高校生によるSDGsプロジェクト
社会課題の解決を目指しながら、学校外に学びの場・活躍の場を生み出す
SDGsの視点で社会課題を発見し、解決方法を探究し続ける力の育成と、失敗を糧にできるレジリエンスの養成を目標に、企業や大学等と協働しながら、文理の垣根を超えた教科横断型の学びを実現しています。
授業では、企業人や研究者による講演会、Monash大学への英語を使った発表も実施しました。
コロナ禍の研修旅行では、SDGs未来都市である徳島県上勝町を訪れました。

- 社会課題の発見
- 解決方法の探究
- SDGs関連地域での研修旅行
- 校内・校外での発表、海外の大学へ向けた発表等
グローバルフィールドワーク
クメール遺跡群と東南アジア
カンボジアの過去と現在を巡り歩き、考察する。
クメール王朝時代のアンコール遺跡をはじめ、事前学習や現地での講座のもと、カンボジアの歴史・社会・文化について知るとともに、ポルポト時代の暗い歴史まで踏み込んだフィールドワークです。
遺跡の修復現場の訪問や、現地大学生との交流もあり、現在のカンボジア、ひいては東南アジアの現状を肌で感じながら、現地調査を通して得た成果を発表しました。

- 文献調査/事前学習
- 研究テーマの設定
- 現地でのフィールドワーク
- ポスター発表など
教養総合Ⅲ高3
自分自身の問いへ
卒業研究(文系) ~卒業論文に取り組む~
抱え込まれた「問い」にどのように向き合ったのか、その過程を丁寧に追いかけ、他者に向かって訴えかけます。
中附での学びの集大成として、論理的な分析と思考とを繰りかえしながら批評・表現しようとする営みは、大学での能動的な学びにいち早く対応できる力を育んでいきます。
- テーマ設定
- 「教養総合Ⅰ」「教養総合Ⅱ」での学びや各教科・科目の学習あるいは各種活動や身辺の様ざまな事柄の中から、自ら進んで問いかけ、解決ないし考察すべき対象を探り、テーマを決めていきます。
- 「書評」執筆
- テーマに即して参考になると考えられる文献を探究し、そのうちの1冊をとりあげて「書評」ないし「レポート」を執筆します。先行研究の調査をも兼ねる取り組みです。
- 口頭発表
- 資料収集・実地踏査の結果得られた情報や、それに基づく分析をもとに論文のアウトラインを作成し、レジュメやパワーポイントを用いて口頭発表を行います。
- 論文作成
- 口頭発表による主張と質疑応答による省察に基づいて、必要に応じて論理の構成を組み替えたり表現を改めたりしながら文章を練り上げ、完成稿を提出します。

Project in ScienceⅡ(理系) ~卒業研究に取り組む~
自然科学を精緻に捉え、その可能性を追求します。
抱いた「問い」を出発点として、調査・実験・検証・発表という流れを実際に行ってみることで、新たな課題意識が芽生えるでしょう。
また、研究成果を英語で発表することで、未来を拓くための自信がつきます。
附属学校研究発表会
中央大学の4つの附属学校が集まって、学びの成果を発表する研究発表会です。
日ごろの成果の発表を通して、附属各校のカラーを感じるとともに、大学での学びへのステップとなります。

論文テーマ例
- なぜ紀子は矢部との結婚を決意したのか
-小津安二郎「麦秋」にみられる性的マイノリティの影- - モノ/記号としてのハマ弁
-みんなが同じものを食べない横浜市の中学校昼食- - 小学校英語教育における「文字指導」の在り方
-4技能をバランスよく学ぶ必要性-
教養総合Ⅲ選択科目
大学とのつながりを意識し、多様な価値観を尊重しつつ、文化や社会を考えます。
学際領域に挑戦することを通じて、自身の学びと向き合いましょう。それぞれの「問い」が見えたなら、大学生まであと一歩。未来を拓く準備が整います。
社会研究「映像分析と社会心理」
映画、ドラマ、CMの技法の考察を通して社会学や心理学、政治学等を学びます。相手を見上げるシーンの多い「千と千尋の神隠し」の前半。
一方、ヒトラーの演説を撮影するリーフェンシュタールの映画技法とも比較し、権力と映像技法について考えます。
また、SNSがもたらす功罪と人間関係、身体性についても社会学的に考察します。
2022年度選択科目開講講座一覧
選択科目 | 講義名 |
---|---|
文化研究 | 体験的に学ぶ生活文化学/「レ・ミゼラブルの世界」 |
地域研究 | 国際政治学と東アジア |
社会研究 | 映像分析と社会心理/社会政策へのアプローチ |
数理探究 | 高校数学総復習 |
文化と歴史 | 美術製作から学ぶ歴史/文化と他者表象/ゲーム理論 |
文化と言語 | 時事英語表現/中国語/ドイツ語/フランス語 |
Message
「自分の目で確かめること」を大事に、実態解明を目指し試行錯誤を重ねた。
カラスが大量発生する原因に興味があり、教養総合Ⅱの「Project in ScienceⅠ」で、その生態について研究しました。
生態調査のプロであるパークレンジャーの方に調査の基本をご指導いただいた上で、自宅周辺エリアを絞り、実地調査を実施。地元の中学校の屋上に上がり、近隣の山から訪れたカラスの数を目視で計測するなど、自分の目で実態を確かめることを重視して進めました。「研究」に取り組むのは初めてで、「なかなか仮説通りの結果を得られない」「悪天候による不測の事態で計画通りに進まない」など、戸惑うことも多かったです。
しかし、試行錯誤を重ねながらそれらを一つひとつ乗り越えていく中で、臨機応変に対応する力がかなり鍛えられたと思います。テーマを自ら選び、研究の計画から調査、ポスターの作成まで自分が主体となって手がけ、完成に漕ぎ着けたことにも達成感がありました。また研究発表を通じて、考察を簡潔に示した上で結果を詳しく説明する手法など、プレゼンテーションのスキルを身につけることもできました。
卒業研究では、カラスが巣をつくる山林にも調査範囲を拡大し、より詳細で深い考察を加えた研究成果をまとめたいと考えています。
