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教養総合 News&Topics 令和4年度SSH生徒発表研究会 参加報告

8月3日~4日に「令和4年度SSH生徒研究発表会(全国大会)」が兵庫県神戸市・神戸国際展示場で開催されました.全国のSSH指定校217校が一同に会し,物理・工学,化学,生物A(動物),生物B(植物),数学・情報,地学の6分野について研究発表が行われました.新型コロナウイルス感染症対策のため参加人数を大幅に制限しての実施となりましたが,2年ぶりに全分野が集まっての対面実施が実現しました.どの学校の研究内容も素晴らしく,研究方法に工夫が見られており,大変刺激になりました.PCやタブレットなどのICT機器を活用したインタラクティブな発表や実験装置やプログラムを会場に持ち込んでデモを行う学校も増えたように思われます.

本校からは吉田光翔君(高3理系コース)が,物理・工学分野にて「マニキュアの使用がパルスオキシメーターの測定値に与える影響」という研究を発表しました.コロナ禍で需要が大きく拡大したパルスオキシメーターですが,その測定の仕組みからマニキュアをしていると正確な測定値が得られないと言われています.一方,最近になって医療現場からマニキュアが測定に与える影響はそれほど大きくないのではないかという意見も上がっています.そこで本研究では,マニキュアをしているときとしていないときでパルスオキシメーターの測定値にどの程度の差異が生じるかを,実際にユーザー実験を行うことで評価しました.さらに,差異の生じ方の傾向からマニキュアの色と厚みが測定に影響するという仮説を立て,マニキュアの吸収スペクトルの違い(特に赤色光と赤外光の吸光度・透過率の違い)を計測することによりこれを検証しました.本研究で得られた結果は,医療現場や家庭におけるパルスオキシメーターの運用に有益な情報になると期待され,今後も実験条件を変えながら引き続き調査を行っていく予定です.