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教養総合 News&Topics 教養総合Ⅰ オキナワ実地調査報告

 教養総合Ⅰ(フクシマ・オキナワを通して近代化・科学技術を考えるコース)は、12/10~14にかけて沖縄県において実地調査を行いました。

 1日目は那覇空港到着後、現地の大学生と合流し、海軍壕、山城壕という二つの壕を日本兵と住民という異なった視点から見学しました。さらにひめゆり平和祈念資料館にて、「ひめゆり学徒と友達になるワークショップ」を行い、私たちと同じような普通の生徒たちがなぜ「軍国少女」になってしまったのか、考察しました。さらに荒崎海岸にて実際の証言に基づいて、当時の様子を再現し、どのような選択肢をとればよいか、その場で実際に考えたうえで、どのような選択肢をとっても死が待っていたことを体感し、それが「戦争」であるという戦争の本質を学びました。

 2日目は嘉数高台にて、嘉数の住民がどのように戦時中過ごしていたか、普天間基地を目の前にして現在どのように生活しているのかという沖縄戦と基地問題をつなげるフィールドワークから始まりました。その後、平和の礎に移動し、実際にお名前が刻まれている方がどのような経験をされたかということを調べ、実際に生徒がガイドを行うという「ガイド実践」のワークショップを行いました。さらに「牛島満・島田叡の視点から沖縄戦を考える」「戦争とジェンダーを考える」「韓国人・台湾人慰霊碑を通して戦争を考える」3つのコースにわかれ、ミニツアーを行いました。最後に魂魄の塔・熊野鉱山を見学し、遺骨入りの土砂が辺野古埋め立てに使われる現実について説明を受けたうえで、慰霊とは何か、考えました。

 3日目は、辺野古の集落を散策したのちに住民の方からお話を伺いました。生徒たちは容認派VS反対派というわかりやすい二項対立ではなく、日米安保という大きなものに巻き込まれていった住民たちのアンビバレントな思いに耳を傾けつつ、私たちがどのようにこの事実を伝えていくことができるか、改めて思考を深めました。

 午後は実際に埋め立てが行われようとしている大浦湾でシーカヤックを行い、沖縄の自然を存分に楽しみました。また名護市議の東恩納琢磨さんの案内でジュゴンの見える丘を散策し、豊かさとは何か、私たちが守らなければならないものは何かという視点で、沖縄における開発について、改めて考えました。

 4日目は、沖縄の観光のあり方について、海洋博公園を散策しながら、どのように「沖縄イメージ」が創られていったか、学びました。また、午後に海洋博公園から「映える象徴」として被写体となっている伊江島に渡り、伊江島における観光産業の作られ方について、元伊江村議の山城克己さんからお話を伺いました。午後からは実際に民泊に入り、生徒たちは各家庭で伊江島の良さを満喫しました。

 5日目は、伊江島から那覇に戻り、最後は新都心(おもろまち)のシュガーローフヒルで、沖縄戦・アメリカ占領下・復帰後・現在とこれまで学んできたことを総ざらいしたうえで、東京に戻りました。

 生徒たちはこの5日間で学んだことをふまえ、私たちが何を伝えることができるか、これから模索していくこととなります。改めて、今回の実地調査でお世話になった方々に深く感謝いたします。