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高校 教養総合 News&Topics 教養総合Ⅰ フクシマ実地調査報告

 教養総合Ⅰ「フクシマ・オキナワを通して近代化・科学技術を考える」の授業履修者25名は、10/27-29の2泊3日の日程で福島県で実地調査を行いました。

 1日目は、常磐炭鉱の歴史に関して、実際に選炭場跡や炭鉱住宅を案内いただいた後に、常磐興産顧問の坂本征夫さんから炭鉱から観光業への転換プロセスに関してお話しいただきました。また元東京電力社員で、震災時福島第二原発で働いていらっしゃった吉川彰浩さんに、現在どのような想いで日々を過ごしていらっしゃるか、お話を伺いました。夜のふり返りでは、「責任とは何か」という論点から、活発に議論が行われました。

 2日目は、東京電力廃炉資料館の見学後、帰還困難区域からは解除されているものの、バリケードが張り巡らされている富岡町夜ノ森地区を実際に歩いてフィールドワークを行いました。さらに国道6号線の帰還困難区域を通過し、10年間時が止まったままになっている建物をバスの車窓越しに見学しました。東日本大震災・原子力災害伝承館では、東京電力社員の方との対話が行われ、予定時間を30分以上オーバーして、活発な質疑応答が行われました。さらにいまだに住民が住むことができないJR双葉駅周辺や、津波の被害を受けた請戸小学校、高台となっている大平山霊園をフィールドワークし、自分自身の命を守るために何が必要か、というお話をまちづくりなみえ事務局次長の菅野孝明さんよりしていただきました。また、夜は福島民報社記者の渡部育夫さんより、「事実と真実は違う」というキーワードをもとに、地元紙としてどのような報道を心がけているかというお話を伺いました。夜のふり返りでは、福島県外での処分が決定し、現在は中間貯蔵施設に保管されている放射性廃棄物やエネルギーのベストミックスについてなど、夜遅くまで議論を行いました。

 3日目は、福島水素エネルギー研究フィールドで太陽光パネルを見学しながら、再生可能エネルギーの光と影について学びました。その後楢葉町に移動し、ならはみらい移住促進係の平山将士さんにコンパクトタウンをご案内いただいた後、どのようにすればこの地域の良さを伝えることができるだろうかというテーマで議論を行いました。また全員が、この実地調査を通して感じてことを発表し、一人ひとりに対して3日間フィールドパートナーとしてご案内いただいた菅野孝明さんにコメントを頂きました。最後に地元高校生との交流として、ふたば未来学園高校社会起業部の生徒との交流を行い、この3日間で福島に対してどのような印象を持つようになったか、どのような変化があったかという共有を行いました。

 福島で学んだことをふまえ、生徒たちはこれから次の実地調査先であるオキナワについて学んでいくこととなります。フクシマとオキナワにどのような共通点があるか、私たちが当事者としてこの問題にどのように向き合っていくことができるか、考え続けていきたいと思います。

 最後になりましたが、このプログラムを実施するにあたり福島県庁ならびに福島県観光物産交流協会のご協力をいただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。