教養総合 News&Topics 【中学第3学年】教養総合基礎・探究活動/沖縄修学旅行・事前学習
中学3年生は、現在「教養総合基礎」という科目で年間を通して生徒一人ひとりが沖縄に関する探究活動を行っています。また10月には実際に沖縄の地を訪れる予定です。こうした探究活動をさらに深めるために、6/29(土)に沖縄から講師をお二人お招きして、特別授業を行いました。
まずお話しいただいたのは㈱さびらの狩俣日姫さんです。狩俣さんからは、沖縄戦の概要とその特徴についてお話しいただきました。米軍が上陸する前から当時の住民になりきってロールプレイを行いながら沖縄戦の過程をたどることによって「住民一人ひとりにとっての戦争」とはどのようなものだったか、感じることができたと思います。
生徒の感想を一部紹介します。「国語の授業やなんとなく見たことのあるニュースなどで、大まかな沖縄戦は知っていましたが、一つ一つの事件や戦いなどまで詳しくは初めて聞いたものがほとんどで、たった数ヶ月の間に沢山の要素が詰まっていると思いました。なぜ「軍人以外を戦闘対象にしてはいけない」戦争において、一般住民が亡くなったか、これは日本軍の戦略が呼んだものなのか、米軍の攻撃のせいなのか、など様々な視点で考えることができるものが多くあると感じました。狩俣さんの「人によって戦争の始まりと終わりは違う」という言葉も印象的でした。対馬丸で家族を亡くした人にとっては、44年8月が戦争が始まった日であって、渡野喜屋事件で殺された人にとっては、45年5月が戦争の終わった日であって、1年生の歴史の授業でやった「大きな歴史」と「小さな歴史」の話を思い出しました。修学旅行では、地域の人と触れ合うことで教科書などにはない「小さな歴史」について考えられる時間にしたいです」
次にお話しいただいたのは、(一社)プロモーションうるまの田中啓介さんです。田中さんからは「沖縄ふしぎ発見!」ということで、沖縄の持つたくさんの豊かさについてお話しいただくと同時に、沖縄が抱える社会課題に関しても様々なデータをもとにお話しいただきました。また、なぜそれらが見えにくいのだろうかと「問いをたてる」ことが探究につながるというお話をしていただき、生徒がこれから探究活動を行うヒントをいただきました。
生徒の感想を一部紹介します。「沖縄は海など自然が綺麗で、沖縄に住む人も優しくゆったりとした穏やかな印象がありました。そのことは間違っていないのですが、現実では海洋汚染や貧困など経済的にも問題があることを知り驚きました。 沖縄の問題は、私の教養総合のテーマに近いことなので沖縄に行く前に調べたり、沖縄に行ったりすることで沖縄の問題について深く知り解決するにはどうすればよいか考えていきたいと思いました」
「沖縄の綺麗な海の写真とか、日本の固有種のうち多くが沖縄に生息しているとかいうのを聞いて、すごく自然が豊かな場所なんだなと思いました。沖縄は貧困率や高校中退率が全国ワーストだというけれど、それでも幸福度ランキングや地元愛のランキングが一位なのは、沖縄にはすごく豊かな自然があって、しかも学歴とか肩書とかにそんなにこだわっていないからなんじゃないかなと思いました。また、空気を読むんじゃなくて空気を変えろというのはいい言葉だなと思いました。私も空気を変えられる人間になりたいです」
この特別授業とは別に5月中旬には恩納村観光協会から金城匠さん、糸数規秀さんにもお越しいただき、直接エイサーを教えていただきました。こうした授業で学んだことをもとに、これからも現地とZOOMでつなぎながら、全身を使って探究活動はまだまだ続きます!(文責:川北慧)