グローバル News&Topics 【トビタテ!留学JAPAN】留学報告 Vol.3
トビタテ!留学JAPANの第9期生として、昨夏、ドイツ・ハイデンベルグへ留学した高校2年生の相川心結さんの留学報告です。
Q1. なぜ「トビタテ」に申し込んだのですか?
私は高校1年生から、海外にルーツを持つ子供達へ宿題などの手伝いをする日本語学習ボランティアに参加しています。このボランティアを通じて、少子高齢化が進む日本でこのような子供たちは今後増えていくということを知りました。しかし、海外にルーツを持つ子供たちの高校や大学への進学率は、日本で生まれ育った子供とは差があるなど、その支援は改善の余地があります。そしてこのような子供たちにはどのような支援が最も効果的なのかという疑問を、移民の子供が多いドイツと比較して学びたいと思い、トビタテ!留学JAPANに応募しました。
Q2. 現地ではどのような活動をしましたか?
午前中はドイツ語の語学学校に通い、午後はハイデルベルグ市内のドイツ語を無料で教えてる移民難民支援団体でボランティアを行いました。そこではドイツ語を学びにきた親と一緒にきた子供と一緒に遊んだり、この団体では食べ物や洋服を支給したりなどの生活保護のような活動も行っていたのでそのお手伝いや、実際に教室の様子も見学させていただきました。また週末には難民キャンプの見学へ行ったり、ハイデルベルグ市民の方々やハイデルベルグ大学の方々に街頭インタビューを行って、日本と移民難民を受け入れることに対しての価値観の違いなどを調査しました。
Q3. 留学の中で一番印象に残っていること
2つあります。1つ目は、移民難民を受け入れることには大きなリスクもあるということを学んだことです。実際にドイツへ行く前は、移民難民の受け入れがヨーロッパ1だから、きっと国民も受け入れに前向きなんだろうと考えていました。しかし、たくさんのインタビューを経て移民難民を受け入れることは時に国民の不安を煽ることにも繋がっていると感じました。特に、残酷な難民経験から精神疾患を患ってしまう移民難民の多さは、全く知らなかったのでとても驚きました。 2つ目はドイツでの支援のあり方です。私は今まで、移民難民の子供たち全員にアプローチできる包括的な支援のあり方を学びたいと思っていました。しかし、そのような包括的な支援も大事ですが、個人個人に向き合った地域で行う支援も大切だということがわかりました。ボランティアを通じて、ドイツに来る理由は人によってさまざまで、難民経験も多種多様だということを知りました。そのため必要としている支援も多種多様です。言語的な支援だけではないニーズに細かく対応できる、地域単位のコミュニティが日本にも必要なのではないかと思いました。
Q4. これからどんなことをしたいのですか
大学では国際系の学部に進学したいと考えています。ドイツでさまざまな難民経験の話を聞かせていただいて、そもそも難民となるような人がいなくなる国際社会のあり方を勉強したいと思いました。また、ドイツでアフリカ系移民の方とたくさん関わってとても興味が湧いたので、アフリカへ留学したいと思いました。



***追記 (担当者より) ***
相川さんは帰国後、海外にルーツを持つ子供への支援をおこなうべく、自ら団体を立ち上げ、仲間をあつめ、言語支援、文化交流を目的とした活動をおこなっています。是非ともその活躍をみなさま応援していただければと存じます。なお、4月から入学の新高校1年生を対象にしたトビタテ !留学JAPAN10期生も現在募集中です。興味がある新入生の皆様は、以下担当の岩本までご気軽にご連絡ください。
英語科・国際交流部
岩本 祐樹 y-iwamoto@hs.chuo-u.ac.jp
