

多彩な教育02
教養総合/SSH
探究学習で、世界のさまざまな
問題に向き合う
中附の教育の柱である「教養総合」は、将来、大学や社会で求められる、自ら考え行動してゆく力を身につける独自の学習プログラムです。
次代を生きる力を育む探究学習
現代社会は、さまざまな問題に直面しています。
そうした現状に立ち向かう力を育む学びとして重視されているのが、「探究学習」です。
テーマ設定や情報収集・分析の方法、仮説の立て方、説得力ある発表の仕方などを学び、科学的に探究する精神をみんなで共有します。

教養総合基礎中3
じっくりと探究して 高校での学びの土台をつくる
普段の学習での気づきを大切にし、「問い」を見出す目を養います。
探究マップを活用し、全体像をとらえる方法を習得します。
◆教養総合基礎 テーマ例
- イリオモテヤマネコの絶滅を防ぐには今後どうしていくべきなのか
- 沖縄の音楽には、なぜ「沖縄感」があるのか?
- 沖縄観光における「レジャー × 継承」は可能か?
- 沖縄と東京都における一等星、二等星の見え方の違いとは
- 琉球・沖縄音楽における“沖縄っぽさ”の正体

教養総合Ⅰ高1
自らの興味関心を学問的な「問い」につなげる
自らの興味関心をもとに「問い」を立て、考察します。
その成果を発表し、アドバイスをもらいながら、科学的な探究を進めます。
◆教養総合Ⅰ テーマ例
- ニューラルネットワークにおける手書き文字認識
- プラナリアの個体数が食行動に与える影響
- 加工された錯視の画像は元の錯視の画像より錯視が起きにくくなるのか
- 東京都神宮外苑地区再開発計画について
- コンサートにおいて視認性の高い配色とは

教養総合Ⅱ高2
実地踏査をふくむ探究学習で学問と現実をつなげる
2年生は1つのコースを選択し、1年間をかけてさまざまな問題に向き合います。
実習や実地踏査を通じて、問題解決の道を探ります。
2025年度コース一覧
年度によりコースや実地踏査先は変更になる場合があります。
- GBグローバルフィールドワーク
- PSProject in ScienceⅠ
- TSトランスサイエンス
- GCグローカルフィールドワーク
海外
- GB映画から考える韓国の現代(韓国・ソウル)
- GBクメール遺跡群と大メコン圏(カンボジア・アンコールワット)
- GB国際化と日本(ベトナム・ハノイ)
- GB世界遺産と生きる(オーストラリア・ケアンズ)
- GBアントレプレナーシップ入門(アメリカ・サンフランシスコ)
- PSボルネオのジャングル自然調査(マレーシア・ボルネオ島)
- PS光とオーロラの探究(カナダ・イエローナイフ)
- PSNASA×Robotics×English(アメリカ・オーランド)
- TS地理情報システム入門(台湾・台北および台中)
- TSSDGs入門(シンガポール)
国内
- GC文化地理学入門(東京ディズニーランド)
- PSスポーツ科学(都内の研究施設)
- TS東京の世界自然遺産におけるサステイナブルツーリズム(小笠原・父島)
- TS八重山のスローツーリズムの光と影(沖縄・石垣島および竹富島)
GBクメール遺跡群と大メコン圏(カンボジア・アンコールワット)
クメール遺跡群の歴史、保存、観光について学びます。国内外の大学や教育機関と協力し、地域の経済発展に関わるグローバルな課題についても探究します。将来、国際社会で活躍するための基礎を築くことができます。

PSボルネオのジャングル自然調査(マレーシア・ボルネオ島)
自然調査の基本的な手法を学んだ上で、各自の設定したテーマで調査を行います。身の周りの自然から実地踏査で訪れるボルネオの自然まで、さまざまな自然環境を比較し、今起きている問題について考察してゆきます。

GB国際化と日本(ベトナム・ハノイ)
「国際化とはどのような状況を指すのか?」という原点とともに、日本における国際化の現状を考察します。ベトナムの高校生と交流し、お互いの国際感覚に差異があるかを考えるワークショップを用意します。

GC文化地理学入門(東京ディズニーランド)
伝統文化からサブカルチャー、ポップカルチャーにいたるまで、さまざまな文化の成立背景について地理学的な視点から考察します。文化と地理の相互的な関係をとらえる眼を養うことを目的としています。

GBアントレプレナーシップ入門(アメリカ・サンフランシスコ)
イノベーション(技術革新)の理論や具体例を学び、生徒自らビジネスプランを立てることで着想力・発案力・実行力を養います。会社を起こした方の講演や、シリコンバレー訪問を通じて、アントレプレナーシップ(企業家精神)を身近に感じられるようになります。

TS八重山のスローツーリズムの光と影(沖縄・石垣島および竹富島)
人気の観光地である一方、太平洋戦争で住民を巻き込む地上戦がくり広げられた歴史を持つ沖縄。本島と八重山を比較しながら、歴史や経済、文化、観光などを総合的に学び、実地踏査をふまえた研究に取り組みます。

教養総合Ⅲ高3
自ら設定したテーマを徹底的に考察し学びの集大成とする
文系クラスは卒業論文、理系クラスは卒業研究に取り組みます。
「教養総合」で磨いてきた科学的センスを駆使し、研究を仕上げます。
卒業研究(文系) ~卒業論文に取り組む~
抱いた「問い」に誠実に向き合い、丁寧な調査と分析を積み重ね、中間発表を行います。最終的に10,000字以上の論文を執筆することで、大学での主体的な学びにいち早く対応できるようになります。
- テーマ設定
- 「教養総合Ⅰ」「教養総合Ⅱ」での学びや各教科・科目の学習あるいは各種活動や身辺の様ざまな事柄の中から、自ら進んで問いかけ、解決ないし考察すべき対象を探り、テーマを決めていきます。
- 「書評」執筆
- テーマに即して参考になると考えられる文献を探し、そのうちの1冊をとりあげて「書評」もしくは「レポート」を執筆します。先行研究の調査をも兼ねる取り組みです。
- 口頭発表
- 資料収集・実地踏査の結果得られた情報や、それに基づく分析をもとに論文のアウトラインを作成し、レジュメやパワーポイントを用いて口頭発表を行います。
- 論文作成
- 口頭発表による主張と質疑応答による省察に基づいて、必要に応じて論理の構成を組み替えたり表現を改めたりしながら文章を練り上げ、完成稿を提出します。

卒業論文テーマ例
- 「虫嫌い」の一因の提起
―絵本からみる擬人化動物のイメージ形成要因 - リゾートしらかみが「五能線の観光列車」であるために
―既存サービスの活用と「蜃気楼ダイヤ」 - 香りのアートとロマン主義の再興
―香りのアートはなぜ注目を集め始めているのか

2025年度選択科目一覧
大学での学びにつながる、発展的内容をあつかう科目を2つ選択します。
年度により開講科目は変更になる場合があります。
- 映像分析と社会心理
- 政策と社会へのアプローチ
- 美術制作から学ぶ歴史
- 文化と他者表象
- 「レ・ミゼラブル」の世界
- トレーニング科学
- 微積分と差和分
- 米英の文化と言語
- 時事英語表現
- グローバル・プロジェクト
- ドイツ語
- フランス語
- 中国語
- 数学C
「映像分析と社会心理」
映画、ドラマ、CMの技法の考察を通して社会学や心理学、政治学等を学びます。相手を見上げるシーンの多い「千と千尋の神隠し」の前半。
一方、ヒトラーの演説を撮影するリーフェンシュタールの映画技法とも比較し、権力と映像技法について考えます。
また、SNSがもたらす功罪と人間関係、身体性についても社会学的に考察します。
Project in ScienceⅡ(理系) ~卒業研究に取り組む~
自然科学の発想や方法を我がものとします。自らの「問い」を出発点とし、厳密な科学的調査・実験・検証を積み重ねます。研究成果は、英語で発表できるようにします。
Message
歴史をたどることで、今の韓国への理解を深められた。
もともとK-Popなど韓国の文化に興味があり、教養総合Ⅱでは、「映画から考える韓国の現代」を選択しました。
現地でのフィールドワークは10月で、それまではノンフィクションとフィクションの間に位置づけられるファクションというジャンルをメインに韓国映画を鑑賞し、その歴史的背景などを先生に解説いただきました。第二次世界大戦以降も軍部の抗争が繰り広げられるといった、日本とは歩みが異なる韓国の歴史と映画のストーリーを照らし合わせて学ぶことで、エンターテインメントのイメージとは違った韓国の一面を見ることができました。
現地には3泊4日の日程で渡航。戦争期の歴史を学ぶ博物館や植民地支配の象徴的存在であった朝鮮神宮跡など、日韓の歴史に関わる場所も見学しました。映画を通じて触れた歴史的事件の舞台で学ぶことで、それが実際に起こった事実として深く刻まれるとともに、過去から見た現在の韓国の在り方を深く考えるきっかけになりました。
また、韓国に関するテーマについて調査し発表する探究学習も実施。私たちのグループは、人口に対しインフラの供給が追いついていない、ソウル市の交通事情に着目し、その都市景観について探究しました。過去の歴史と現代の都市の姿をつなげて考察したことで、現代だけを学ぶのでは得られなかった視点を加えられたと感じています。身近な隣国・韓国への理解を深めるとともに、レポートの作成や発表を通じて、考えをわかりやすくまとめる力が鍛えられました。
