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News&Topics 中学2年生 ワンデイエクスカーション事前学習 第2弾

中学2年生はワンデーエクスカーション(遠足)を実施します。

行き先は横浜八景島シーパラダイス。

テーマは「海洋生物と地球環境」です。

本日は事前学習第2弾ということで、本校の理科教諭(生物)で生態学がご専門の鈴木先生による事前学習を、みなさんにも疑似体験していただきたいと思います。

※第1弾はこちらをクリックしてください

それでは、さっそくいきましょう!

みなさん、カクレクマノミは知っていますか?

そうです!

ニモです。

カクレクマノミは卵が産まれると、オスがそのお世話をします。

しかし、お世話をするのは、卵からふ化するまでの間だけ。

卵からかえった仔魚(子どもたち)は、浮き上がってどこかへ行ってしまいます。

産まれた途端に、親子は離ればなれになってしまうのです。

海流に揺られて散り散りになった子どもたちは、1cmほどに成長すると海の底の方に降りていき、適当なイソギンチャクに棲みつきます。

こうして新たなグループが作られ、イソギンチャクに守られながらカクレクマノミは生活していくことになります。

ところで、このカクレクマノミ、メスとオスをどうやって見分けるか、ご存じですか?

多くの生物は産まれたときにメスとオスが決まっています。

しかし、カクレクマノミはそうではありません。

なんとカクレクマノミは一緒に暮らす集団の中で、他の個体と体の大きさを比較することによってメスとオスが決まります。

グループの中で1番大きい個体がメス、2番目に大きい個体がオスとなるのです。

じゃあ、3番目に大きい個体はオスなのか、メスなのか?

3番目以降の個体はすべて、オスでもメスでもない未成熟個体と呼ばれます。

図で示すと、以下のようになります。

ここでひとつの疑問がわいてきます。

1番大きい個体(①)が死んでしまったら、一体どうなるのでしょうか?

メス不在のまま生活していくことになるのか、と思いきや、そうではありません。

体の大きさでメス・オスが決まるということは、①がいなくなると・・・

オスだったはずの②が1番大きくなるのでメスになり、

オスでもメスでもなかった未成熟個体の⑥が2番目に大きいのでオスになるのです。

もちろん、2匹だけで生活している場合には、必然的にそれぞれがメスまたはオスとなり、ペアとなって繁殖していくことになります。

それでは、みなさん。

ここまでの解説をふまえて、映画「ファインディング・ニモ」を見直してみてください。

いくつもの疑問が浮かんできませんか?

体の大きい方がメスで小さい方がオスになってしまうんだとすると、ニモとニモのお父さんの関係って・・・

お父さんは本当はお母さんで、ニモは息子ではなくお父さんってこと???

2匹で生活している場合、必然的にペアとなるということは・・・

ニモとお父さんって、まさか恋人同士???

そもそも、ふ化した子どもたちはみんなどこかへ行ってしまうのだとすると・・・

ニモとお父さんは実の親子ではない???

もちろん、映画の世界ですから、現実と異なる部分があって当然です。

とはいえ、生き物の生態に関する知識があれば、水族館でみんなと同じ魚を見ていたとしても、自分だけみんなとは異なる別の世界を見ることができます。

今回の事前学習を通して、生徒たちは学ぶことの楽しさだけでなく、その重要性にも気がつくことができました。

事前学習を担当してくださった鈴木先生、元山先生、ありがとうございました。